今更ながらZWO ASI Air ProのWi-Fi強化
ものすごくお久しぶりです。
ZWO ASI Air Proを出てすぐに購入して、ずっと使わずに放置していた。(何のために買ったのか・・・)
今回、ZTF彗星を撮影するのに「そういえば持ってたな。」と思い出し、初めて実戦でいきなり使ってみた。
設定が悪いだけだとは思うが、オートガイド精度がまったく使い物にならず、急遽オートガイドだけはMGEN-3に変更して撮影は続行した。
そうこうするうちに、別の問題が発生。
ライブスタック画像が飛んでこない。(厳密には飛んではくるものの、伝送速度が50kB/sとか、状況により5MB/s出たりするが不安定)
まぁライブが来ないだけで、撮影自体には影響がないので継続し帰宅後に調査。
Proから本体が金属箱になったことにより、ラズパイのWi-Fi電波が減衰して飛ばないということらしい。
いろいろと見て回るとポータブルルーターを外付けして電波を強化して使われている方が多数いらっしゃるので、小生も真似をして対策を施そうと考えた。(繰り返しになるが「今更」です)
皆さんが使われているルーターはGL・iNetというところのものだったり、中継モード運用での記事が大多数であった。
小生がやりたいのは
・近所の家電量販店で売られているポータブルルーターを使う。
・DC5V駆動のものであること。
・ASI AirのWi-Fiは使わない。(中継はしない)
・車内でもそこそこの通信速度を維持できる。(いつもは装置から5mくらい離れてるかな)
・WANポートしかなく、GL・iNetのようにLANポートが設けられていたり、WANポートをLANポートとして切り替えられるものではない。
これが最低条件であった。
まず近くのヤ〇〇電機に行き、DC5V駆動のものを探した。
・・・
・・・
1機種しかない。
elecomの無線LANポータブルルーターWRH-300BK3 いわゆるホテルルーターです。
ACアダプタ付きとなしの両タイプがありましたが、それほどの価格差ではないので電源付きを調達した。税別2500円。
結果としてウマくいってしまったので、失敗した過程は省略して設定手順のみ紹介します。
ルーターを起動して、クイックマニュアル通りにスマホなどを接続し設定画面にログインする。
「PC版設定ページへ」をタップする。
設定メニューから「動作モード選択」をタップする。
「アクセスポイントモード」をチェックし「適用」をタップする。
自動でルーターが再起動する。
再起動後はルーターのIPアドレスが変わる(192.168.2.1→192.168.2.251)ため、ブラウザにアクセスエラーが表示されるのでブラウザは閉じる。
スマホの設定画面で再度ルーターに接続する。
設定画面にログインする。
「APモード」で動作していることを確認する。
------- ここからIPアドレスを手動で変更する場合の手順 -------
有線設定の「設定」をタップする。
WANの回線種別を「DHCP」に変更する。
LANのIPアドレスを入力する。(例:10.0.0.2)
デフォルトゲートウェイを入力する。(例:10.0.0.2)
DHCPサーバー開始および終了を入力する。(例:10.0.0.100)
「適用」をタップする。
ルーターのIPアドレスを変更したため、ブラウザにアクセスエラーが表示されるのでブラウザは閉じる。
ルーターの電源を抜き刺しして再起動する。 ※再起動処理が自動で行われず、内部的には中途半端に設定が変わっている状態のため
起動後、再接続して設定画面にログインする。
設定画面が表示されれば設定完了。
------- ここから再度共通の手順 -------
ルーターの電源を抜き、続いてASI Air Proの有線LANポートとルーターのWANポートをLANケーブルで接続する。
ルーターを起動し、WLANランプがゆっくりと点滅するまで待機する。(電源を刺してから1分程度)
ASI Air Proの電源を入れる。 ※ルーター→ASI Air Proの順で起動しないとIPアドレスが正しく付与されないことがあります。
ASIAIR Appを実行するモバイル端末とルーターをWi-Fiで接続する。
ASIAIR Appを実行する。
10秒以内に接続できない場合は、検索画面に変わるので「SCAN」を押し、ASI Air Proが表示されたら選択し「Connect」をタップする。
デバイス設定画面が表示されると、以降は直接接続していた時と同様に使えます。
ASI Air ProのIPアドレスを固定したい場合は次の通り。
ASIAIR Appのアンテナアイコンをタップしネットワーク設定を表示する。
「Wired Ethernet」をタップする。
Configure IPの項にある「Manual」をタップする。
IP Addressの項が入力可能となるので、固定するIPアドレスを入力し「Save Configuration」をタップする。(例:10.0.0.3)
DHCPサーバーとの接続が完了するとSubnet MaskおよびGatewayが自動入力される。(通常はルーターと接続できているのであれば、初期入力値から変わらない)
念のためASIAIR Appを再起動する。
以上で少しは電波品質が改善できると思います。
ASI Air Plusを買おうかと思っていましたが、必要なくなったかもしれません。(Proの処理速度に不満がないのであれば・・・)
おまけでWi-Fi電波強度を見ることができるアプリで改善状況を比較してみた。
木造1Fの居間に置いたルーターを1F隣室から、扉を閉めた状態で計測した。(直線距離では4mほど)
山の高いほうが電波が強いことを示しているが、ルーターのほうが強いので一応は環境改善したようである。
電波が拡散する屋外ではもう少し減衰するだろうが、概ね通信品質は継続的に維持できそうである。
自宅や観測所に固定的な設備で運用するのであればもう少し考える必要はあるが、固定設備は所有しておらず、必ず自宅から離れての運用なのでこのくらいで何とかなりそうなので、今回はここまでにしよう。
実は、どうにもできなかった時のためにGL・iNetのルーターを買ってはあったのだが、良い意味で無駄になった。何か他のことに利用しようか。
ではまた。
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